糖尿病/糖代謝異常

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糖尿病とは

糖尿病発症の原因で重要な「糖エネルギー」

我々が日々、健康な生活を営む上で欠くことの出来ないもの、それは、生命活動の源となる「エネルギー」の存在です。常に、我々の身体を構成するひとつひとつの細胞が、本来の働きを発揮するために、エネルギーを消費しています。

食べる事は生きること。エネルギーの適切な供給があってこそ、初めて、生命はその輝きを保つのです。

さて、エネルギーはその元となる栄養素により、幾つかの種類に分けられますが、飽食の時代と呼ばれ、便利な移動手段や生活家電などの普及により、日常生活におけるエネルギー消費の機会が著しく減った現代において過剰なエネルギー源として見直しが必要なもの、それが糖尿病の原因としても重要な「糖エネルギー」です。

太古の昔「糖エネルギー」は非常に貴重なものであったと考えられています。それに対して、現代は炭水化物を中心とした食べ物に代表される様に、糖エネルギーが過剰な状態にあると言えます。

特に、日本古来の食事様式である「お米」を中心とした献立、これに、パンや麺類、ファーストフードなどで多くを占める「小麦粉」を中心とした食事。

これらの食事は、体内で速やかに糖エネルギーへ変換され、消費する以上に摂取された場合には、インスリンという「栄養を蓄える」ホルモンの働きにより、脂肪エネルギー(中性脂肪)へ変換され、肥満の原因になります。


血糖値が高い、糖尿病と診断されるとつい「糖=甘いもの」の食べ過ぎと捉えられがちですが、
寧ろ、現代日本人の食生活において、毎日の主食として口にしている献立にこそ、その大きな原因があったのです。

もちろん、お菓子の食べ過ぎ、甘い飲物の摂り過ぎも、糖尿病の原因となりますが。

インスリンは「限りある」貴重な資源

インスリンは、孤独なホルモンです。太古の昔、糖エネルギーが得られる機会は非常に限られており、寧ろ、たんぱく質や脂質から、生命維持に必要なエネルギーを得ていたと考えられています。

糖エネルギーの不足した状態では、たんぱく質の塊である筋肉を分解してエネルギーを得て、僅かに蓄えた、なけなしの脂肪をやむなく分解してエネルギーを得て、決して、太る事が容易ではないことは、想像に難くありません。

寧ろ、エネルギー不足、即ち低血糖を起こさないよう、体内では涙ぐましい努力が営まれていました。
それ故に、我々の身体には、低血糖を防ぐため、糖以外のエネルギー源などから糖分を生み出すためのホルモンが、4つも備わっています。

これらのホルモンの働きにより、我々人類は、今日まで、エネルギー飢餓から生き延びて来たとも言えます。

これに対して、貴重「だった」糖エネルギー源を有効活用するために機能するのが「インスリン」というホルモンです。
すなわち、糖分を細胞内に吸収し、結果、血糖値を下げる働きを有しているホルモンは、我々の体内でたった「ひとつ」インスリンのみ、なのです。

貴重「だった」糖エネルギー源を処理する、同じく貴重なホルモンである、インスリン。
我々の体内(すい臓)に蓄えられているインスリンは、決して無尽蔵ではなく、「限りある」貴重な資源なのです。

糖代謝異常が続いて発症する病気

糖尿病は、膵臓という臓器から出るインスリンというホルモンの働きが悪くなり、血液中のグルコース(血糖値)が高くなる病気です。

なぜそのような状態になっているのか、その原因となるものが「糖代謝異常」です。糖代謝異常が続いてしまい、体の各部に不調が病気として現れた状態を糖尿病といいます。

糖尿病はその発症原因によって、いくつかの種類に分類されます。ここでは主となる1型糖尿病と2型糖尿病について解説します。

1型糖尿病

インスリンを分泌する臓器である膵臓からのインスリン分泌量が少ないため、体内のブドウ糖の量が多くなりすぎてしまいます。
そのため、このタイプの糖尿病患者は、生きていくためにインスリンの補助的な注射をしなければなりません。これをインスリン依存症といいます。

2型糖尿病

インスリンの分泌が困難であること、またはインスリン抵抗性であることが特徴で、血糖値が高くなります。

2型糖尿病の原因は、遺伝的な影響に加え、太り過ぎ、運動不足、過食などの環境要因もありますが、すべての糖尿病患者がこの状態を引き起こす行動要因を持つわけではありません。

しかし、血糖値を望ましい値に保つためには、日々の食事や運動に気を配ることが重要です。さらに、必要に応じて薬や注射を処方することで改善できる場合が多いです。

2型糖尿病

糖尿病の中で最も多いタイプの糖尿病

糖尿病のなかで頻度が高いのは「2型糖尿病」です。一般に「糖尿病」と呼ばれる場合、この2型糖尿病を表すことが多いです。

2型糖尿病は、

  • インスリンの分泌が低下する遺伝的素因
  • 生活習慣の悪化によって起こるインスリン抵抗性

以上のような要因からインスリンの分泌が相対的に不足してしまうことで発症します。

現代の日本社会は、消費エネルギー量は減る一方、相対的に糖エネルギー源の摂取が過剰となり、この過剰なエネルギー源を処理すべく分泌されるインスリンは、糖を脂肪エネルギーへせっせと変換し、結果は肥満を招き、遂にはインスリンの作用不全や不足へ至ります。

本来は、貴重な糖エネルギー源を有効活用するための繊細なインスリン分泌調節が、その適切なバランスを失ってしまい、高血糖状態が持続する、これが近年増え続けている生活習慣病としての2型糖尿病の本態と考えられます。

糖尿病、即ち、血糖値の高い状態が年余に亘り持続することで、様々な合併症を招いてしまうことが知られています。

糖尿病の症状

典型的症状と合併症リスク

通常症状はありません。しかし、あきらかな高血糖状態が続くと、

  • 口渇、多飲
  • 多尿
  • 体重減少

など、糖尿病の典型的症状が出現する可能性もあります。

合併症リスク

糖尿病で注意したいのは、合併症の存在です。

  • 時に透析治療が必要となることもある腎臓の機能低下
  • 視力低下の大きな原因となる網膜症
  • 不快なしびれや痛みを伴う四肢の神経障害
  • 狭心症や心筋梗塞、大動脈解離などの心血管病
  • 免疫力の低下
  • がんに罹患しやすくなるリスクが高くなる

など、様々な観点から指摘されています。

糖尿病の治療と予防

仙台で糖尿病治療のご相談は当院へ

糖尿病治療で大切なこと

適切な検査によってその原因を明らかにし、治療を受けることができれば、日常生活や生命に深刻な影響をも与え得るこれらの合併症を未然に防ぐことができます。

仮に糖尿病を発症してしまっても、ほかの生活習慣病と全く同様のアプローチでその原因をしっかりと掴み、原因に応じた食事療法をはじめ、インスリン作用に好影響を与える大事な筋肉を運動療法により回復し、時に、現代医学の成果である適切な治療薬の力をも借りることで、ご病状は快方へ向かって参ります。

本来、ヒトに備わった正しいエネルギー代謝を回復することで、健康を恢復してゆくことが、時に長い道のりとなりますが、糖尿病治療において、とても大切なことと考えております。

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